2012年活動報告

ジンバブエ野球協会会長 マンディショナ・ムタサ

 

1.   始めに

 現在までの主な国内活動の報告をします。野球に取り組み始めた(中)高校は、大きく増え384校に、また小学校は、昨年の121校が305校に増加し、その結果、公式の全国大会を開けるようになりました。全国小学校校長会(NAPH)、中学・高校校長会(NASH)、ジンバブエ野球会(Zykai)、Dreafy、地元自治体、教育・スポーツ・芸術文化省、その他多くのボランティアからの支援を頂き、野球は辺境地域の少年少女たちに広まっていきました。

2.   地域別報告

 

 上表

3. 活動

 野球練習とコーチング研修の間に、HIV・AIDSに関する啓蒙活動を同時展開しました。参加者は積極的に取り組み、参加者参加方式が採られたことで、さらに活発な活動ができました。Zykaiの支援のおかげで改良型「スターターキット」を準備できました。Ultimate Homerunは、いくつかの県での公式のコーチ研修会開催時、移動を支援してくれました。

4.   活動の広まり

 2012年2,5,7,8月に、江頭先生、渡辺花さん、九鬼奈津美さん(以上DREAFY)、大阪大学学生の小坂亮太さんが相次いでジンバブエを訪れました。地方への活動に随行した皆さんは精力的で、多くの若い学生・先生たちを親切に励ましてくれました。日本から個人的に持ち込んだ用具類は、県の代表に贈呈されました。

5. 問題点

①施設;プレイ環境は不十分で、まだ最大の課題です。Zykaiから各県用に贈られたバックネットのおかげで、試合はかなりいい状態で開催できるようになりましたが、すべての要望に応えられるほど十分ではありません。地方へ出かける際はジンバブエ野球協会(ZBA)のコーチ達がネットを持参しています。

②用具:グローブが不足しています。

③コーチ:ナショナルチームのコーチ、経験あるベテランコーチが早急に必要です。

④スタッフ:常勤事務員が少なくとも2人必要です。最低1年間使用できる(固定の)事務所が必要です。

⑤国外向け:ZBAは多くの国際試合(対ウガンダ、台湾、南ア、メキシコ)を中止せざるをえませんでした。このことは選手やコーチの経験不足につながり、彼らが野球を離れていく結果を招きます。

⑥経験:ZBAはいまだに経験を積んだ選手やオフィシャル(コーチ、審判等)を引き留めておくシステムを構築していません。離職率は80%を超えています。

⑦移動:移動には相当な費用がかかり、多くの試合・大会が中止になっています。

⑧スポンサー:ZBAとその活動は支援者・後援者の関心を集めることができず、活動の維持がたいへん難しくなっています。

⑨ボランティア:活動への参加者はまだまだ限定的です。

⑩登録料:ZBAはIBAF(国際野球連盟)、ABSA(アフリカ野球ソフトボール連盟)に参加するための登録料が払えませんでした。選手やオフィシャルはここ数年間、各自の登録料を納めていません。彼らの大多数が自力で登録することが財政的に困難な状況です。

⑪ドリームパーク:今年は問題解決に向けての前進はありませんでした。

⑫HIV・AIDS:選手3名、オフィシャル2名が亡くなりました。

6.   実績

 U18女子チーム設立、U18男子チーム設立、シニア男子ナショナルチーム設立

県コーディネーターコーチ創設、Manicalandでの高校大会、小学校大会

44回の野球講習会

7.   謝辞

 ボランティアで活動してくれたコーチ、先生方、Zykai, NASH、IBAF、DREAFY、その他2012年野球活動発展に力を貸して下さった皆様に感謝します。

8.   最後に

 3年前に比べると、ZBAは非常に大きくなりました。今後はNational Executiveを始めとした指導陣(首脳)の中から理解者を発掘、教育することにより、さらにビジネスアプローチを育てていかなければなりません。2013年には、学校組織から離れて地域レベルで強いクラブチームを立ち上げる必要があります。クラブや県組織の活動が立ち行くよう、選手やオフィシャルは全員登録料を納めなければなりません。

Merry Christmas to all and a Happy New Year!

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マンディ氏から新年に届いた最新メール要約:

①このところ、底辺を広げるために活動してきたが、広げれば広げるほど、2回目に行くまでに時間がかかり、また一からやり直さねばならないということがある。野球協会としては、2013年はより強い大人のクラブチームの育成に力を入れたい。

②ジンバブエ野球会へのお願い

(A)エリート選手育成のための財政援助

(B)最初の3ヶ月間、地域コーチ育成のため毎月支援して欲しい

(C)(大統領選挙が終わる)5月に日本人ボランティアコーチを派遣して欲しい

(D)用具を送ってほしい

ジンバブエ野球会としては、出来る範囲でしか、送金は出来ないことを伝えながらも、息の長い支援を考えていくつもりです。