BASEBALL版 COOL RUNNINGの序章

平成6年度1次隊 ジンバブエ野球 小澤託

 

冬季オリンピックのボブスレー競技で、南米・ジャマイカのボブスレーナショナルチームが入賞するという快挙を成し遂げた。雪の降らない国ジャマイカで、そのボブスレーのナショナルチームは、オリンピックでメダルを取ろうという無謀ともいえる挑戦に出た。結果的にメダルを取ることは出来なかったが、その健闘ぶりと明るい選手は世界の人々に称賛され、応援された…。実際に、この映画が公開された翌年のリレハンメル冬季オリンピックにジャマイカのボブスレーチームは出場することになり、世界中の注目を集め、多くの人々から応援された。

 

この夏、オリンピックの聖地であるアテネでオリンピックが開催される…。灼熱の太陽の下、さまざまな戦いが繰り広げられ、歴史に残るドラマや名場面が生まれる。

~数年後~

20××年、○×オリンピック。メジャーリーグで活躍する様々な国籍の選手たちは、母国の名誉と誇りを胸に、▲△スタジアムに集合する。そのチームの中に、今回が初出場となるアフリカ・ジンバブエナショナルチームが・・・。夏季オリンピックでBASEBALL版“COOL RUNNING”の物語の始まりであった。

 

今回のジンバブエチームの来日は、こんな夢を実現するための序章になるのかもしれない。白人が中心のスポーツであった野球が、少しずつ少しずつ国内に広がり、真のジンバブエナショナルチームが生まれ、そして、今回の来日。

オリンピックの聖地であるアテネで行なわれる年に、新たな一歩として日本に遠征に来る!!ジンバブエの野球に携わった者として、これほどうれしいニュースはない!!現段階でどれほどの力をジンバブエナショナルチームが持っているのかは正直言って見当もつかないが、少なくとも世界の野球界の中で、ある程度力を認められ、名前が知られている日本で練習や試合が出来ること、さらには野球事情を肌で感じることが出来ることは、かなりのプラスになるはずである。最初は、何事もまねをすることから始まるものだ!!みなさんも最初に習い事を始めるときには、まねをすることから始めたはずだ。どうせだから、今回の来日でいいものを学んで、まねて欲しい。そして、ジンバブエの野球が世界に躍り出るためのしっかりとした土台を築いて欲しい。

初代野球隊員として村井さんがジンバブエに蒔いたBASEBALLの種が、代々続いた野球隊員と、ぐんぐんと育ち成長したジンバブエの野球少年や野球選手によって、多くの水と栄養を吸収し、芽を出し、花を咲かせようとしている。ジンバブエBASEBALLの大きな花を咲かせるために、また、その大きな花を支えるためにも強固でどこにも負けない土台を築いて欲しい。心から応援すると共に、ジンバブエの野球がさらに発展することを願っている。