はじめまして

青年海外協力隊ジンバブエ長期野球隊員

田澤佑太郎

 

 はじめまして。青年海外協力隊長期野球隊員として2014年12月よりハラレメトロポリタン野球連盟に配属されております田澤佑太郎と申します。今回伊藤様よりご依頼いただき、本誌に執筆させていただくことになりました。宜しくお願いいたします。

 本来私はケニアへの派遣予定だったのですが、ナイロビの治安悪化により、派遣前訓練後にジンバブエへと任地変更となりました。いろいろと悩むこともありましたが、現在はジンバブエという地で思い切り活動していこうと考えております。

 私は高校まで野球をしており、大学ではマネージャーとして野球部に所属していました。協力隊に応募したのは、以前から海外で生活したいと思っており、協力隊に野球の職種があるのを知ったのがきっかけでした。高校卒業以来まともに野球をしておらず、指導経験も母校の手伝いを数か月したことがあるぐらいでしたので、正直合格するとは思っていませんでしたが、幸運にも合格通知をいただくことができました。

私の派遣要請は小・中・高校への巡回指導と普及活動、審判、スコアラー指導がメインとなっており、それに加え、ナショナルチームの指導も依頼されております。

 配属先に赴任した時点で学校が試験、休み期間に入っていたため、巡回指導は1月以降ということで、まだ本格的に活動はしていません。まずこの1か月は活動というよりも任地に慣れることに重点を置いています。

 12月上旬にはドリームカップ(プロビンス対抗戦)が開催され、5つのプロビンスが集まり試合を行いました。ジンバブエ野球を初めて見た第一印象は想像していた以上に野球になっているということでした。ピッチャーはしっかりストライクを取ったり、バッターもフルスイングでホームランを打ったりと、皆楽しそうに野球をしていました。更に驚いたことは、ウォーミングアップやクールダウンをしっかり行い、きちんと帽子を取って挨拶してくれることです。今までの先輩隊員の皆様の教えが今でも受け継がれております。

 ただ、野球隊員がジンバブエを離れて約10年経つということで基本的な技術(キャッチボールなど)の未熟さが目立ちました。

今回、見させてもらった大会は各プロビンスの代表チームによる試合だった為、ある程度の野球ができたのかもしれませんが、高校やリトルリーグがどのような状況なのかをしっかり把握し、2年間の活動方針を打ち出せたらと思っています。

 今の小さな悩みはこちらの人は支援慣れしている印象がとても強いということです。カウンターパートと初めて出会った日も自己紹介もほどほどに野球道具は持ってきたか?いつ日本から道具を送って来るんだ?Mr. Ito にレターを出して道具を送ってもらえなど、私の野球指導を期待されているというよりも日本人が来れば道具がもらえることを期待され

ているように感じてしまいました。もちろん私も日本出国前に母校や友人から多くの野球道具の寄付をしていただきました。それをジンバブエに送るのをためらうほど毎日のように言われています。皆様の活動されていた時もそのような感じだったのでしょうか。

 今回はまだ活動が本格的に始まっていないということで、断片的な事しか書けませんでしたが、少しでもジンバブエ野球の現状を知っていただければ幸いです。

 また機会がありましたらジンバブエ野球やジンバブエの町の現状などもお伝えできればと思っております。