より深いパートナーシップを

ダニエル・デルミン (関西学院高等部 宣教師)

     

私は昨年の夏、英国・アイルランドメソジスト教会の研修のため、イギリスに3週間程滞在しました。他のヨーロッパの国々と同じく、イギリスもアフリカ諸国を植民地にしていたという歴史があるので、現在においても、良い意味でも悪い意味でも、アフリカとイギリスの間の密接な関係は保たれています。英国メソジスト教会では、英国から世界中に宣教師(ミッション・パートナー)を派遣していますが、同時にそれらの国々のメソジスト教会指導者達をイギリスに5年間の期間招き、互いから学び合うというプログラムを実践しています。そのプログラムでジンバブエから来られていたジンバブエ・メソジスト教会主教に現在のジンバブエの状況を教えていただきました。

 

 

 まずジンバブエでは、土地の問題がかなり深刻です。植民地時代に、ジンバブエの豊富な農地は白人がほとんど所有し、アフリカ人がその農場で働いていました。

 

1980年に「ジンバブエ」として国が独立して以来、政府はこの土地問題と向き合おうとしないばかりか、最近では軍に支給された服を着た若者達が、白人農場所有者を、無差別かつ無秩序に襲撃するという事件が多発しています。その結果、農地は管理されず、農地で働いていた人達が職を失い、失業率60%以上という困難な状況に陥っています。その土地問題に輪をかけるようにして、干ばつが起こり、食べ物がなくなり、飢餓も広がっています。

 

 また、エイズも深刻な問題です。

 

 

そんな過酷な状況の中で、ジンバブエではクリスチャンが実に、人口の71%にものぼります。メソジスト教会に限って言えば、ジンバブエのメソジスト教会は英国メソジスト教会との太いパイプを生かして、経済援助はもちろん、ジンバブエの抱えるさまざまな問題に取り組んでいます。

 

 ジンバブエ野球会の皆さまも、ジンバブエの人々と共にそれらの問題について考え、そして日本にいる私達にできる事はなにか、という事を今一度原点に立ち帰って考え、行動にうつす事によって、すでに築かれているパートナーシップをより深められる事を願ってやみません。