アフリカンメジャーリーガー

13年度2次隊ソフトボール 中野亜紀

 

 

「ジンバブエにはどんな可能性を秘めた選手がいるのだろう…」

 

こんな期待を持って日本を発ったちょうど二年前。

 

協力隊に参加する前はプロ野球の日本ハム球団で働いていた。退職前、球団スカウトの方に「ジンバブエにいい選手がいたら連絡しますので来て下さいね。」と冗談混じりの会話をしたが、私の気持ちは本気であった。幼い頃からソフトボール一筋でプレイしてきた私であったが、野球というスポーツはそれ以上に私の人生に深く関わっていると言っても過言ではない。と言うと

 

かなり大げさに聞こえるかも知

 

れないが、好きなスポーツは?と聞かれると迷わず「野球」と答えられるくらい単純に野球が好きなだけである。

 

現在、日本のプロ野球界は多くの有望選手がメジャーへ流れている。野球選手が自分の可能性を信じ、夢を抱いて目指すところがメジャーという場所である。また日本のプロ野球は各球団に助っ人と呼ばれる外国人選手が数名在籍している。現在のところほとんどの選手がUSAからスカウトされている。有望選手というとまず考える事はベースボールの頂点、メジャーリーガーである。勿論この考えは常識的ではあるが、私個人的にはアフリカ、アジアにも大きな可能性を秘めた選手が眠っていると考えている。ただUSAのように野球自体がそれ程盛んではないので注目されるまでには至らないが、私達の想像を絶するパワーと運動能力を持った選手がそこにいると確信している、というかそう信じている。

 

ここジンバブエに来て南アをはじめとするアフリカの野球選手を見る事が出来た。正直なところ、私の期待通りであった!と断言出来るまでには至らなかったが可能性を持った選手はいると感じた。ただここは日本やUSAと違って野球をする環境が整っている訳ではないので不利な面が沢山あるのが現実であった。もしこの選手達が100%野球をする環境、指導者のもとプレイをする事が出来たならば、

 

アフリカンメジャーリーガー誕生も夢ではないと思う。

 

私は彼らの可能性を導き出して欲しいと強く願う。現在、南アにはマイナーリーガーが数名いる。メジャーも南ア野球に注目しているようである。私個人的にはもう少し足を伸ばしてジンバブエに来て欲しい、そして可能性のある選手を引き抜いて育てて欲しいと願う。そして近い将来は日本のスカウトもアフリカに足を運んで選手を発掘に来る…そんな日が来ればなぁと私の個人的な夢は膨らむ一方である。そしてサミー・ソーサのような選手第2号がアフリカ、ジンバブエから誕生して欲しいと願ってやまない…

 

ソフトボール隊員として派遣されながらこの様な野球の話になって申し訳ないが、ここに来て一つ確信出来た事。私はやはり野球が好きであるという事であった。日本のプロ野球、ジンバブエをはじめとするアフリカ野球を見る事が出来た。次の目標はメジャーリーグかなぁ?と私にもひそかな夢がある。