アルゼンティン

今岡伸宇

 

ご無沙汰しています。今岡、生きてます。

ジンバブエ野球会の皆さんもお元気にされているでしょうか?

 

私も、アルゼンティンに赴任しまして9ヶ月が過ぎようとしています。本当に時間の流れは速いです。任地は、アルゼンティンの北、もうここは、アルゼンティンというよりも、パラグアイと言ったほうが良いかと思います。南米のヨーロッパと言われる首都ブエノスアイレスの芸術的な建物、街角の美しいモニュメントなどここにはひとつもございません。ただ、見渡す限りの真っ赤な肥沃の大地、眩しいぐらいの緑、そして何処までも広がる真っ青な大空、これは、ブエノスアイレスでは味わえない、大自然の美しさがあります。そして、朝から多種の鳥が飛び交い、囀る、これは、アルゼンティン23州のうち、この州だけが味わえるものです。周りのジャングルの中には、パラグアイ原住民グワラニー族が住み、未だにインディオの生活を守っています。このグワラニー族の歴史は映画「ミッション」を観ると非常に解りやすいです。この地、ミシオネスは「ミッション」の映画の舞台となった場所でもあり、ミシオネスの名の由来も、イエズス会宣教師たちがグワラニー族に布教したことから来ています。映画を観ると色々と考えさせられます。白人が黒人を奴隷として扱ったことがここでも同様のことが繰り広げられていたのです。黒人奴隷の3分の1の値段で売られていたのがこの地のインディオです。

 

活動の方は、要請内容とは全く違う環境で、赴任当初は色々と考えさせられましたが、現在は、日系社会や配属先に拘ることなく、協力隊同様に地域に活動範囲を広げています。柔道、空手、野球、ソフトボール、中高年体操教室、巡回指導など日系人からアルゼンティン人までの活動を展開しています。まだまだ、問題は多いですが、前に進まないと何も始まらないので、創意工夫でやっています。ソフトボールや野球は、現地の学校を主体としています。11月には、6校対抗のソフトボール大会を現地の体育教師と共に開催できました。野球やソフトボールは、アルゼンティン23州のうち、僅か3州しか行われていないので、現地の人々は、ミシオネス州で初めて行うこのスポーツに対し、関心を持ってくれるのが幸いです。上手く根付けば良いですが。野球は、地域少年野球クラブを作り、行っています。殆どがアルゼンティン人で、また、ジンバブエで教えていた野球とは違うカラーになりそうです。今後が楽しみな所です。良き年末年始をお迎えください。ご家族皆々様のご健勝をお祈りいたします。    2003年12月24日 合掌