「ジンバブエ」野球会発足」にあたって

元青年海外協力隊員 今岡伸宇

 

青葉の頃、皆様におかれましてはますますご清祥のこととお喜び申し上げます。

 さて、皆様も御存じのようにあのアフリカ、ジンバブエの大地に初の野球場設立という素晴らしい夢が今年4月13日に実現いたしました。この「ハラレドリ-ムパ-ク」完成を誰よりも待ちわびていたのはこの夢の計画発起人である伊藤益朗さんはじめ約600人で結成されたFOD委員会の皆様、そしてジンバブエの地で多大なるご支援を下さった初代ジンバブエ野球隊員の村井洋介さん(現アフリカソフトボ-ル野球会広報部顧問)、そして日々、ジンバブエ野球の世界的発展を夢見て普及、指導に汗を流している青年海外協力隊の皆さんです。また、これから21世紀のジンバブエ野球を背負っていく多くの現地の子供、大人たちもこのドリ-ムパ-クの完成を今か今かと待ちわびていました。 今、この球場完成にともない、今迄はるか遠くに感じられたジンバブエと日本の心の距離は非常に近付きまた、野球という掛け替えのないスポ-ツを通して今後は更なる国際的交友関係を深めていくことができることでしょう。 

 ただ、今まで多くの日本人により普及されてきた野球、そして今回の球場設立と少しずつ野球というスポ-ツがジンバブエに定着してきましたが、やはりまだまだ現地の人たちのみでは野球を発展させるところまでは来ていません。皆さんも御存じのように現在の途上国の経済状態では今回設立した球場運営、管理はもちろんのこと、野球を発展させるための金銭的な問題はなかなか解決しません。 

 現在も5人の青年海外協力隊、野球隊員が現地の子供から大人まで数多くの人々に野球を普及し続けております。少しでも野球人口を増やすこと、そして技術向上、世界に通用するプレ-ヤ-の発掘を目指し、更なるジンバブエ野球の飛躍を夢見て活動しております。 しかし、野球人口増加にともない野球道具の不足は大きな問題となり、今迄日本からの物資援助に頼っていたもののこれでは現地野球の独立には繋りません。彼らの手で道具を生産し、一般市民でも購入できる値段で販売しないかぎりは野球というスポ-ツの定着は困難であると思われます。  

 今回の野球場にも同じことが言え今後は現地の人々で球場管理、運営をしていかねばなりません。しかし現状では困難であるため、今回の球場完成を機に、『ジンバブエ野球会を』を設立し、世界の野球発展の夢を追うものとしてジンバブエの野球が自立、発展を遂げるまで現地の日本人野球関係者とともに応援し続けようではありませんか。ぜひ、皆様の協ご協力をお願いいたしたいと存じます。

 

 私たちは恵まれた環境のなかで野球ができ、ごく当り前に道具を使い整備されたグランドで多くの仲間と喜びを分かち合うことができますがそれと同じことが近い将来、ジンバブエの大地にも広がればこんな嬉しいことはないでしょう。皆様の温かいご支援を心よりお待ちいたしております。