ジンバブエでの1ヶ月を振り返って

平成27年度青年海外協力隊9次隊 ジンバブエ野球隊員 佐久間大樹

 

 私は神田外語大学外国語学部4年の佐久間大樹と申します。4月8日より5月7日までの一か月間青年海外協力隊短期ボランティア野球隊員として活動をしてまいりました。

 私が今回青年海外協力隊短期ボランティアに応募したきっかけは、大学から派遣された15歳以下の野球アジア大会で出会った選手たちや協力隊OBの方からの勧めもあり、春休みの期間を利用して参加しようと決めました。

 募集要項を見た時は、(野球会の方々には申し訳ありませんが)ジンバブエのことなど何も知りませんでした。ただただ、「アフリカ大陸に行きたい。」「アフリカの野球ってどんななんだろう。」という気持ちだけで第一希望国に選びました。派遣が決まって初めて、ジンバブエの歴史、経済状況などを調べ始めました。調べ出してみると徐々に不安が募り始めました。しかし、先のボランティアでお世話になった方からジンバブエ野球隊員OBである松本様をご紹介いただき、当時のお話をお聞きしたと同時にジンバブエ野球会伊藤様をご紹介いただき、さらに伊藤様より正岡様ご夫妻をご紹介いただきと派遣までの約3か月の間にジンバブエ野球に貢献されてこられた方とのつながりが生まれ、広がっていきました。

 今回の活動では2014年より活動されていらっしゃる田澤隊員ともう一名の短期隊員と共にムタレ、グウェル、ブラワヨ、ハラレの4都市を巡回しクリニックを開催いたしました。

 グウェルでは学校教員を対象としたコーチングクリニックを開催したのですが、野球を見たことすらないという人が参加者の半数以上だったことにまず驚かされました。一度、協力隊の派遣が途絶えていたとはいえ、20年近くにわたって活動が行われてきていたことを伺っていましたので、認知度は高いのではないかと思っておりました。また、用具もトレーニング用の硬式球よりも重いボールを使い、グランドも草がひざ下まで伸び、グランドに落ちているビニール袋やスナック菓子の袋をベースに見立てていたりと野球を行う環境にも多々驚かされました。

ムタレでの経験は特に強烈で、お湯の出ないことは覚悟していたものの、シャワーを浴びていた際に、シャンプーの泡を流し終えるまで出ていた水が体を洗い終わった時には止まっていて泡だらけの状態でどうするか悩んだことは忘れられない思い出になりました。また、練習の休憩時に原液を薄めて飲む飲料水を大きなバケツに作り、先ほどまでグラウンドで使っていた小さなカラーコーンをササッと濯ぎ、それをコップ代わりにしていたことには仰天しました。選手から、「飲むか?」と聞かれましたが、恐れ多くて断ってしましましたが、次回はチャレンジしてみようかと思います。ブラワヨにおいては、3月に南アフリカ遠征に参加したジンバブエチームと現地で活動されている青年海外協力隊、大使館員の日本チームで親善試合を行いました。結果は日本人チームがサヨナラ負けを喫しましたが、国境を越え1つのボールを一緒に追いかける素晴らしさを肌で感じることができました。

 最後になりますが、今回の派遣に際して用具の提供をいただきました正岡様、現地での様子をお話しいただきました伊藤様をはじめとするジンバブエ野球会の皆様、そして1ヶ月間お世話になりました田澤様に厚く御礼申し上げます。ありがとうございました。今回の経験を活かし、今後のキャリア形成に繋げていきたいと思います。

 

南ア遠征①                                        南ア遠征②

        南ア遠征③           2004 年来日時のピーター氏   カラーコーンがコップに

日本人協力隊対代表チーム       教員養成校地域対抗戦①        教員養成校地域対抗戦②

短期隊員と協力①               短期隊員と協力②                 短期隊員と協力③