ジンバブエ状況報告

村井洋介

その2

 2000年6月28日

 独立20年目の今年、ジンバブエは大きな転機を迎えた。6月24日、25日に行なわれた国会議員選挙で、独立以来大統領政党の一党独裁政権に労働組合から生まれた新しい政党が大きく立ちはだかる結果となった。_

 今年始めから国会議員選挙に絡み数多くの問題が起こっていた。経済の悪化、独立戦争退役軍人による白人農場占拠、外貨不足によるガソリンの欠乏、政党サポーター、退役軍人によるバイオレンス等のニュースは、世界に広まっていった。選挙の日程は延期となりその間、バイオレンス問題は続き、選挙が行なわれた6月24日までに、600人以上の負傷者、30人が命を落とすと云う独立以来最悪の状況を引き起こした。このような状況の中、予想では多くの人々は投票に向かわないのではと思われたが、その予想に反して有権者500万人中65%の人々が投票をした。結果は120議席中、与党ZANU-PFが62議席、最大野先のMDCが57議席、その他野党から1議席という結果となった。残るは大統領選出の30議席で(エリアチーフ12、知事8、議員10)である。大統領による選出は与党の議員となるだろうが、議席総数150中、58議席が野党議員と云うのはこれまでの3議席から比べると大きな改革となった。今回の選挙結果は都市部は野党議員が、地方は与党が勝利をおさめた。特に首都ハラレは19議席全てが野党、第2の都市ブラワヨも8議席全てが野党の勝利、現役大臣10人が落選した。今後は大統領の閣僚選出が注目されている。_

 この2カ月は特に、ジンバブエは本当に大変な状態であった。正直なところ野球は殆ど行なわれなかった。青年海外協力隊隊貞も5月末に各任地を離れ全員ハラレヘ集合し、6月11日には国外(南アフリカ、プレトリア)へ一時退避している。_ 選挙の終わった現時点ではジンバブエ国内は平穏である。とりたてて大きな騒ぎは起こっていない。しかし、今後の議会のあり方、経済立直しの方向次第ではまだまだ予断を許さない状況と云える。

 さて、野球である。私個人の意見としてはジンバブエの野球も立直しの必要がある。今日まで8年間、青年海外協力隊によって野球と云うものが普及してきたことは間違いない。しかしこのままではこれ以上に進むのに更なる時間と労力が必要となるだろう。これまでの8年間の成果をステップアップさせる時期に来ているのではないか? 私も個人的にではあるが何回か現地の関係者、選手とも話をする機会があった。特に選手達の中にはジンバブエ野球の将来を心配するものが現れている。素晴らしいことである。その中には昨年の「ドリームカップ」への新しいアイデア、球場利用のアイデア、協会への希望、ナショナルチームヘの希望、コーチヘの希望や期待などがあった。_そこで、「ジンバブエ野球会」の中に何かアイデアがあれば是非ご連絡いただきたいと思います。

幸い「ジンバブエ野球会」にはジンバブエ野球隊員OB、ジンバブエの野球をご存じの方もいらっしゃいます。これまで暖かく見守っていただいていますが、もう一つ「暖かいご意見」というものもこれからいただきたいと思います。この「ジンバブエの風」を通して。