ジンバブエ野球の現状

青年海外協力隊ジンバブエ野球隊員

田澤佑太郎

 

 みなさま、こんにちは。ジンバブエは朝晩すっかり冷え込んできており上着が欠かせない時期になっています。

 さて、こちらに来て半年が過ぎました。もう活動期間の四分の一が過ぎたと考えるととても早く感じています。

 1月中旬から本格的に活動が始まりました。学期期間中は主に学校巡回、休日はクラブチームの指導をしています。

現在ハラレには2つのクラブチームがありますが、毎週練習しているのは1チームのみです。彼らは練習だけでなく他プロビンスへ遠征するなど精力的に活動しています。学校巡回は現在11の小学校、高校を1~2時間指導しています。現段階では学校の都合等で1日2、3校しか行けていませんが、もっと数を増やしていきたいと考えています。日本とジンバブエとの教育の違いや、子供達の思いもよらない行動に日々驚かされ、困惑しながらも彼らの純粋に野球を楽しんでいる姿に元気をもらいながら活動しています。

 今学期からは高校生の大会(リーグ戦)が始まりました。練習を見る限り、試合は当分無理だろうと思っていましたが、いざ試合になるとなかなかのプレーをすることに驚いています。しかし、基本である投げる、捕るといったプレーはまだまだなので、その練習をもっとしていかないとと考えています。また、基本的なルールを理解しておかないと試合がなかなかスムーズに進みません。ルールを覚えさせるのにはとても苦労しています。日本では、テレビの野球中継や友達との草野球、テレビゲームなど日常的に野球に接する機会があり、野球経験者でなくてもある程度のルールを知っていますが、ジンバブエではそのような機会がなく、一から説明しなくてはいけません。今まで、基本的なルールの説明など日本語でもしたことがなかったり、自分自身どのようにルールを覚えたか記憶になく、どう説明すれば良いか日々試行錯誤しながら行っています。現在は月に一回程、教室にてルール説明をしたり、実際の野球の試合の動画を見せながらイメージを沸かせるといったことも行っています。実際の試合を見たことがない彼らにとって動画を見ることでイメージが沸けばもっと上達が早くなるのではと考えています。

彼らの試合を見ていると、打順やポジション、作戦がどうとかでなく、ただ、打つ、投げる、捕る、走るといったとてもシンプルな野球です。

そんな彼らの姿を見ていると私自身も初心に返ることができ、彼らから多くのことを学んでいるような気がます。

 また、高校生の試合を見ながら審判の育成も重要だと感じました。ジャッジはもちろん、試合進行の大きな妨げになっています。彼らの指導にも注力していかなければと考えています。

 協会として技術指導はもちろんですが、現地人指導者の育成を考えており、コーチングクリニックの開催も多く取り入れようとしています。また、日々の巡回指導においても担当教師に参加してもらい生徒に指導すると同時に先生達への指導も行っております。将来的に各学校が自立していってもらうことが学校での野球においては重要だと考えています。

 私の中では技術指導以外に協会の自立支援といった観点でも活動していきたいと考えています。半年間活動してきた中で、選手、指導者への技術指導云々の前に協会に責任感があり、信用されるようなものにならないとジンバブエ野球の発展にはならないと考えています。現状はうまくいっていませんが、残りの任期で基盤だけでも作れたらなと考えています。

 ジンバブエに来てから活動においていろいろと悩み苦しむことも多々ありますが、好きな野球に携われていることに感謝し、これからも楽しく活動していきたいと思っています。

最後に8月に1ヶ月間短期野球隊員が2名ジンバブエに来る予定になっております。ハラレ、ブラワヨを中心に活動し、少しでもジンバブエ野球にとってプラスになればと思っています。