事務局だより

伊藤益朗

 

 皆様いつもジンバブエ野球会にご理解とご協力を頂きありがとうございます。

 

●来る2月12日(月・祝)の冬の集いでは、元ジンバブエ野球隊員で、現在おかやま山陽高校野球部監督の堤尚彦氏に語って頂きます。詳しくは最終面ご参照を。今回は夕方スタート。

 

●前回「夏の集い」平成29年8月19日(土)塚口さんさんタウン住宅集会室 参加者23名

木戸孝太郎さん(元青年海外協力隊ジンバブエ野球隊員)のお話

 

「協力隊から19年」

 日本語なしの協力隊訓練を3ケ月受け、ジンバブエに着きました。1年目はインさんという中国人宅。高い柵に囲まれた立派な家に土足でした。ハウスキーパーのジェーンさんは裏庭の小さな家に家族3人で住んでいました。2年目は黒人の住む、ブロックを組み立てて色を付けた家々。間取りは全部一緒で各ドアにナンバーが書いてあるのみでした。ちなみに隣は空軍パイロット一家。食事は初めは匂いが合わず食べられませんでした。教室ではノートもペンもなしで頭脳のみでした。活動はピンクのカバンに野球道具を詰められるだけ詰め込んで回りました。対南ア戦では顕著なその体格差に加えこちらは裸足、対する南ア選手はプリント入りの揃いのTシャツでした。3年目は銀行勤めのお宅。マクアザ氏はお世話になった友人。ジンバブエ大学出、スポーツカルチャー省職員、議会、少年院、軍隊キャンプ、最後は日本大使館勤め。野球では当時現地で支配していた白人のチームと我々日本人チームが対戦し、やっつけすぎてとても活動がしやすくなりました。私は帰国後、今は大根農家をしています。大学では経済学部でしたが農学部の授業にも出たり、ジンバブエでも農業隊員の話を聴いていました。兵庫県養父市が就農者を募集した時に応募しました。現在はメンバーは半分以下に。私が組合長で新しいメンバーを募集中です。海抜800mの高冷地。春一番が吹くと山を焼きカリウムを補う。作業中の児の昼寝は車の中で。大根は鹿、イノシシ、ウサギに狙われ、電気の柵で守る。限界集落でお祭りも苦労します。冬の景色、雪かきも。4月3日ひな祭りを過ぎると山焼きへ。このような生活を始めて16年になっています。

 

<質疑から>

 苦労はメンバーの減少。作っていない畑ができるとそこから自然化し動物が迫ってくるこ

と。ただ、連作も可能で肥料も少なくて良い方(痩せている方が良いかも)

少年野球指導ははじめチームメンバーは10人だったのが、今は15人。

クラスは小1から中3まで20人がずっと同じ同級生。

 

<最後に朗読された、当時中3だった娘さんの作文要旨(不正確をご容赦ください)>

 「就農してきた6軒も半数以下になり、私の村30軒で子どもがいるのは私の家のみ。この環境で暮らし続けるのは簡単ではありません。子を留まらせたのは親切な周りの大人たち。安定した仕事とは何でしょうか。本当の仕事とは、好きなこと、楽しいこと、喜んでもらうために魂を込めること。私の姿からこんな仕事がしたいなあと言われるようになりたい。」

 

<参加者感想>

・親の背中を見てすべてを理解している娘さんとその文章表現力が素晴らしい。

・家族が早朝に並んで大根を水洗いする協同作業を6時に終えて登校する。これなどは、家族が協力をして生きていく一つの理想形。

・足りない中で工夫協力することをジンバブエで見、ホストファミリーなどうまく行っていない家族の様子にもやさしい視点を忘れない木戸さんだからこそ農村になじみ苦労も受容できていると感じた。

 

●昨年夏の甲子園に、永年ご協力頂いている青木尚龍さんが監督の神戸国際大付属高校と、元ジンバブエ隊員の堤尚彦さんが監督のおかやま山陽高校が出場されました。

 

●ジンバブエの活動活発化により私たちジンバブエ野球会の残高が底をついてきたことについて、前号に一文を同封してお願いしたのに続いて、11月11日には皆さんに新しいご協力者へ転送して頂けるようにメールで送らせて頂きました。(ジンバブエ野球会について、ジンバブエの風創刊号、ジンバブエの風38号、以上3点を添付) 結果、昨年末までの7カ月で、前年を上回る671,519円のご支援を頂きました。ありがとうございました。

 

●2017年6月1日から2017年12月31日までの主な支出は、以下の通りです。

(ZW送金分)  ZW州対抗大会宿泊支援119,000円 送金手数料3,000円

同大会追加支援     229,000円 送金手数料3,000円

ドリームカップ支援   150,000円 送金手数料3,000円

世界連盟費2年分    46,879円 送金手数料2,000円

(タンザニア分) 巻き尺2,041円 マグネットシート1,467円(訪問者に託す)

(国内分) ジンバブエの風38号郵送料20,813円、同印刷代50,220円。封筒印刷代6,264円。

期首残高は、123,061円。昨年末残高は、141,994円です。

詳しくは次号で、期末となります2018年5月末現在での決算報告をさせていただきます。

 

●新ジンバブエ野球隊員として谷口直規さん(福岡大OB)が昨年7月に着任、前任の田澤佑太郎さんはボリビアに、関学大OBの高江直哉さんが日系社会ボランティアでブラジルのサルバドールに派遣されました。タンザニアのシニア海外ボランティア岩崎広貴さんはナショナルチーム監督として国際試合を初体験されました。

 

●ジンバブエ野球会では、今後もジンバブエへの支援を中心に行いますが、今回のタンザニアのように、可能な範囲の支援に限り、応援している気持ちを表現するために、判断の上、実行したいと思っています。ご理解のほどお願いいたします。

 

●モリス会長は大変です。堤氏へ、正岡氏へ、WBSC会長へ、ZWスポーツ省へ、ZOCへお願いしたり立て替え払いしたり。彼の熱意が自分を前へ進ませているようです。

 

<昨年10月、モリスからおかやま山陽高校堤氏へ>

●モリス会長は「堤先生にオリンピック予選での監督をお願いできれば最高の戦力アップになります」と希望しているようです。

また「若手バッテリーを4月の南アでの大会前に日本で合宿させていただけることも、たいへんありがたいことです」と感謝しています。(注:寒さと日本側日程に厳しい面があり検討中の模様)

 

<昨年10月、モリス会長に関して、正岡さんから伊藤へのメールから>

●「10月12~14日 ボツワナで開催されるWBSC(世界野球ソフトボール連盟)の会議に出席したいのだが、US$200の会費を支払わなければならず、支援してもらえないだろうか」というメールがモリスから届きました。

モリスがWBSCの方と電話で話しました。

会費の$200(現金)をボツワナの会議の席上で受け取ってもらえるかどうかを尋ねた際に、会議に出席するためには2016年、2017年の2年分の会費$400を払ってほしいと言われました。さらに「2009~2015年までの会費が未払いになっており、総額$2500が未払いです」と。

そこで、モリスがWBSC会長に直訴文書を作成し、送信。その中でモリスは、$400は現金で会議にて支払いますが、過去の分はできれば免除してほしい、と書いています。

WBSCに加盟していると、大会参加、その他の活動、さらに用具の支援も受けられるそうです。

今年、モリスは自腹をきって、ジンバブエのSRC(スポーツ省)とZOC(Zimbabwe Olympic Committee)に年会費2年分(2016-’17) $100を払ったそうです。

さて、ジンバブエ野球会の会費残高はモリスにも伝えてありますが、$400の支援をお願いできないでしょうか?⇒結果、野球会の送金で会議出席と連盟登録が叶いました。

 

●昨年8月のジンバブエのインタープロビンシャル大会決勝戦は、ハラレ対ブラワヨ。タイブレークによる決着となり、ハラレが優勝しました。

モリスからは、「大変盛り上がった大会となりました。ご支援にとても感謝します」と言ってきています。

ジョンからの情報では、今回、ブラワヨチームに以前日本の独立リーグでプレーしていたシェパードが参加してプレイしたとのこと。ジョンはハラレチームのヘッドコーチですが、シェパードに勝った!と、喜んでいました。(注:2人とも来日時代表チームの中心選手)

 

●8月6日(日)、尼崎双星高校で開かれた「みんなのサマセミ」で、正岡茂明さんが2講座を受け持ち、「ジンバブエ野球会」と「尼崎城・尼崎藩・すごい尼崎」を紹介して下さいました。