事務局だより

事務局　伊藤益朗

私たちの会にとっても身近な存在の身体障害者野球チーム、神戸コスモスが見事に100連勝を、全国大会優勝と同時に達成されました。心からお喜びを申し上げます。これからもコスモスの活躍を励みにあらゆる層の野球の仲間が広がっていくことを祈っています。

今号を皆様に読んで頂いている頃には、私に初孫が産まれているかもしれません｡私もいい歳になりました。ただやり過ごす人生にしたくないという思いが更に強くなっています。小さな存在ではあるのですが､自分が気づいたことは実行して少しでも役に立ちたいと思います。マザーテレサは「自分は必要とされていないと感じること」が最も貧しいことだと言いました｡そんな人を作りたくないという気持ちは強くあります。「こんにちは」「どうされていましたか」と一声かける小さな行為は、本当に大きな意味を持っていると思います。「こんな自分でも大切に思ってくれる」と感じる人に出会うと安心します。私たちは人や物を無くした時に初めてその重大さに気づきます。人を大切にする生き方を発信したいと偉そうなことを考えています。こんなことを言うのは恥ずかしいのですが、お茶を濁しているゆとりはありません。

私の店に赤マジックで「Ｊ」とグリップエンドに書いてある、折れたバットが立てかけてあります。それはジョンが日本で使っていたバット。いつもバット一本携えて歩いていた「侍」ジョンの姿が浮かびます。以下は村井氏が、「将来のジンバブエ野球を担う人物」として派遣してきた３選手の横顔です。

（マンディショナ・ムタサ）1992年、村井氏が協力隊員としてジンバブエに赴任した時からのカウンターパートで、現在は野球協会会長です。黒人で初めてナショナルチーム入りし、今日までジンバブエ野球を引っ張ってきました。将来の指導者として重要な人物です。野球に関する知識は南アフリカの選手よりも深く、非常に勉強熱心です。

 （スチワート・マピカ）1994年ジンバブエの少年野球チームが来日した際のエースです。その後、両親の離婚等で６年間ほど田舎に預けられ野球とは縁が切れていましたが、村井氏がナショナルチームコーチに赴任の際連れ戻し、ジンバブエ野球会の援助の下、球場に住みグランド管理人をしながら野球の練習をしています。現在ジンバブエで最も速い球を投げる投手で、何よりも野球を心から楽しんでいます。これからの各大会は彼の投球にかかっています。非常に素直で、センスがあり、どんどん吸収するタイプです。

 （ジョン・マジロ）1994年ジンバブエの少年野球チームが日本に遠征した際の外野手、４番バッターで、1992年から2003年まで10年間休む事無く野球を続けてきた唯一の選手です。日本遠征の際もキャラクターとジョン万次郎の愛称で最も人気がありました。現在はチーム一のスラッガーです。この選手だけはバッティングにおいて、ジンバブエ以外でも通用する選手だと思います。

●日本研修中の滞在費他の経費は､423,206円でした。（航空運賃は2名分はジンバブエでの活動費から、１名分は村井氏が負担しましたので共に含んでいません。）

●今回の特別カンパは、年会費と明確には区別できませんので、正確な金額は算定できません。しかし、例年のご送金金額と照らし合わせますと､約90万円は頂戴したことになります。一方､ホームステイを引き受けて下さった正岡さんと芝川さんらのご好意で滞在費が予想より少なくすみました。残りましたご協力金は当会の目的に照らし、有意義に使わせて頂きますので､何卒ご了承下さい。

●日本野球研修は大変注目され、各紙で報道されました。一部を別掲しています。

●「冬の集い」として、アカペラグループ「音気球」コンサートを、2月23日(日)に開催しました。63名(内、有料入場者47名)の参加の中､アフリカ音楽で楽しいひとときを持ちました。

●2002年度中に145万円と50USドルをジンバブエでの活動費として､村井氏に渡しました。

●日本研修から3名が帰国後､ジンバブエナショナルチームは、4月26日から南アフリカのヨハネスブルグで開催された､南ア全国州選抜大会に参加し、4勝2敗の好成績を上げました。

●今年も「夏の集い」を、7月27日(日)に開催します(別掲)。普段、ご送金して頂き､ニュースレターをお

送りするだけになっている方､もしご都合がつくようでしたら、是非お気軽においでください。(Ｐ16参照)

●ジンバブエナショナルチームは、今年の10月には、ナイジェリアで開催されるオールアフリカゲームに出場します。この大会はアテネオリンピック予選を兼ねており、当面の最大の目標です。

●6月1日、村井洋介氏がＮＨＫラジオ第１放送「地球ラジオ」という番組の「にっぽんチャチャチャ」のコーナーに国際電話で出演、ジンバブエ野球の現状などを話しました。