<皆様のご支援等でジンバブエナショナルチームが参加した南アフリカ各州選抜大会・4首脳陣感想>

「南アフリカ 野球大会 報告」  2016/ 3/ 26~29

ジンバブエ野球協会会長 モリス・バンダ

 

 アフリカ南部地域での野球活動はきわめて少ないが、南アには優れたプログラムがある。

 ここ数年、ジンバブエでの野球活動は衰退の一途をたどり続けており、計画的な活動はほとんど実施されていない。野球を存続させるために、前もって企画された地方大会もほとんどなかった。ナショナルチームは4年間余り、いかなる国際試合にも参加していなかった。元ナショナルチーム・メンバーは仕事を求め、周辺国へ向かい、残されたのは未熟な新人選手の集団であった。現在の選手たちは、本物の野球を知り、あるいは指導を受ける機会もなく、低レベルの技術、技巧にとどまっている。ジンバブエ野球協会(以下ZBA)の財政は窮しており政府の援助もない。野球のようなマイナースポーツの火を消さないためには大きな苦労が待っている。このような状況にもかかわらず、ジンバブエ野球のレベルを引き上げ、将来の国際大会への参加を目指し、選手たちに選抜される機会とその他の野球経験を積む機会を与えるため、ZBAは南ア大会への参加を決断した。

 2015年12月、ジンバブエを訪れていたジンバブエ野球会(以下Zykai)会員と共に会合を開き協議を重ねた。結果、財政援助担当のZykaiから次の2つの選択肢が提案された。

 1.3名の選手を日本に1ヶ月滞在させ、野球を学ばせる

 2.南ア大会にナショナルチームを派遣する

ZBAは第2案を選択、より多くの選手たちに南ア大会を経験させることが最善と判断したのである。この旅行費用は莫大なものになるが、選手たちに非常に大きな成果をもたらすと確信した。彼らは正式な野球場で、ベテランの審判員の下、適切なorganized大会でプレイする機会を得られる。ZBAは、12月~南ア大会に向け出発するまでの間に4回、3~4日間のキャンプをなんとか実施した。アメリコ・ジュマヘッドコーチ、ワシントン・ニカ、ジョン・マジロウ両コーチが指導に当たった。

派遣候補選手リストは以下の17名。

1.Lastborn Kudakwashe Tachiona

2.Nathamiel Tashinga Kutsanza

3.Collen Gando

4.Batsirai Murazvu

5.Raymond Mapfuyanzara

6.Hloniphani Ngulube (Kuku)

7.Brandon Majobo

8.Malvin Kudakwamwari Mukudu

9.Eldon Mudzingwa

10.Godknows Kachidza

11.Laxton Mawanga

12.Perkins Ngwaze Maturure

13.Mhlanguli Muguti  (Rookie)

14.Joel Tenderere

15.Tanyaradzwa Katsaruware  (南アへの入国を拒否された選手:ショート兼サード)

16.Kelvin Kawadza

17.Tinashe Kwangwari

 

ブラッチャーコーチとZykaiからの支援を受け、最終的に19名のチームを南アケープタウンへ派遣することにした。チーム代表はMr. Jorum Zifunzi(Mutare出身、ZBA財務担当)が務めた。19名中2名は以下の理由で参加不能となった;Mhlanguliは仕事の都合がつかず。Tanyaradzwa Katsaruwareは以前南アで違法に滞在延長したため今回の入国を許されなかった。その他の点においては順調に進んだ。

 ナショナルチームのユニフォームは無かったので、南ア在住アメリコの努力により2種類の上着を南アで作った。帽子は、大前氏ご長男→正岡→カート・ホリデイ氏→アメリコという順でチームへ届けられた。冬用シャツはジンバブエ国内で調達し、大会後選手たちへのお土産とした。

 チームは3月23日バスでケープタウンへ向け出発、3月31日にバスで帰国。ハラレからのバス代金がイースター・シーズン特別料金($60→$80)となったため予算を上回った。その他の旅行費用(宿泊費、食費等)は予算内に収まった。

 今大会に於いて、チームは1勝もできなかったが、遠征の目的は達成できたと思う。参加選手たちは皆、旅行の素晴らしい思い出と、多くの経験を身につけ帰国した。南アの受け入れ機関からも多大な賞賛の言葉がZBAに寄せられた。これからも南ア大会への参加が継続できるよう、そしてジンバブエ野球の発展を祈ってやまない。コーチ達が研鑽を積む機会も必要であろう、そしてそれこそがジンバブエ野球を向上させる道だと考える。

 最後に、長年にわたり友人として私たちを支え、また今回の旅行の実現に多大な財政支援をしてくださったZykaiとブラッチャーコーチに心から感謝申し上げたい。財政面で危機に瀕したことも多々あったが、皆で知恵を出し合いなんとか「南ア大会への参加」を実現できたことを嬉しく思っている。アメリコは南ア側での準備・調整に奔走したし、ワシントンは大会前のキャンプ場所、用具等に貢献した。ZBA関係者、キャンプに参加したものの大会には行けなかった全選手に感謝する。この良いリズムが続けば、未来は明るい。

 ありがとうございました。