年間報告2010

ジンバブエ野球協会 会長   

マンディショナ・ムタサ

① 国内の多くの地区において、コーチング及びトレーニング講習会を開くことができた。財源不足、人的資源の乏しさの中、野球を広めるため、精力的に講習会に協力してくれた人々、選手達をたたえ、心かの賛辞を送りたい。

 

② 2008-2013の5カ年計画のもと、ジンバブエ野球協会(以下ZBA)は現在、子ども達が早期に正しい野球を知ることができるように、小学校教員500名、ハイスクール(中等学校)教員150名を目標に、指導を進めている。国内10地域中、7地域で、リトルリーグ監督40人、審判75人、スコアラー50人を養成する予定である。

 

③ 昨年3月、Mutendiハイスクールでのコーチング講習会に17の学校から48名の教員が参加し、ハラレ、ブラワヨ、グウェル、ムタレから30名のシニア選手が駆けつけた。地区で作成した手製の用具で、この活動を始めた。

 参加した教員全員に、マニュアルとスターターセット;【手製のTボール(ビニールボールに布を巻いたもの)、バット、ベースのセット】が贈られた。我々のこの活動に対し、バット、ボール、ユニフォーム、グローブなど、野球道具がジンバブエ野球会から届いた。この支援のおかげで、この後の17校のハイスクール講習会ではグローブを使用することができた。

 日本からの善意の支援物資を受け取るに際し、ZBAは非関税申請を教育・芸術・スポーツ省を通じて提出したが、財務省により却下された。

 

④ Mutendiでの講習会には、南アから駆けつけてくれたナショナルチームの選手が一人、野球協会の代表(マンディ)、事務長、開発部長が参加した。Masvingo地区の野球代表は仕事を得ることが出来、、 Matsongoniは地域の議長に選ばれた。

 

⑤ 5月、選手対象の講習会が開催され、ハイスクール6校から146人の選手が参加した。参加を希望した選手の中には、仕事が休めない、また交通費が工面できないなどの理由で来られなかった者もいた。

 

⑥ 参加者のモチベーションは高く、教員達は真剣にメモをとっていた。Mutendi, Gokomere, Mukaro, Zimuto, Pamushana, Muchekeの各ハイスクールから男女の生徒達と最低でも2人の教員が参加していた。ナショナルチームの選手達は、各学校に割り振られ、生徒達に混じって練習や試合をした。

 

⑦ ZBAは、政府及びスポーツ・レクレーション委員会が、アメリカ人Bart Bratcher氏がナショナルチームの指導をすることを許可してくれた事に感謝している。

 

⑧ 7月2日、Masvingoハイスクールで初めての大会が開かれ、16校の男子生徒(U18)が参加、Mutendiハイスクールが優勝した。女子は、Zimutoで開催された。

 

⑨ 7月末、Mutendi主催の大会があり、Manicaland地区のSakubvaハイスクールがMutendiを破り優勝した。

 

⑩ 女子では、MasvingoのMukaro女子ハイスクールがManicaland地区のDangamvuraを下し、優勝した。

 

⑪ 2010年Nash(National Association of Schools Heads)大会の優勝戦で戦った2校(MukaroとDangamvura)は、7月にブラッチャー氏から指導を受けたチームである。コーチング講習会開催を引き受けた両校が、大きな大会で好成績収めたということは、講習会開催が野球技術のレベルアップに繋がっている証拠である。我々の計画はすでに実を結びつつある。

 

⑫ ZBAは、国立学校が正式に友好関係を結ぶよう働きかけ、10月に、ブラワヨのミルトンハイスクール(シェパードの母校)で会議を開き、国立学校代表のNgwenya副大統領、Ncube野球代表(女性)、Saruchera野球教員代表?、Mandi Mtasa ZBA代表、Thembani Moyo委員が出席した。

委員会での合意事項;

・10地区(地方に重点をおく)すべてで野球を広める       

・用具を改良する方法

・ハイスクール間の試合、大会の運営、移動や宿泊に関して  

・技術向上について

 

⑬ JICAジンバブエ所長、川喜田氏にハラレJICA事務所でお会いし、協力の可能性について話し合った。

・伊藤代表のジンバブエ野球会を通じてZBAが日本から受けている支援について

・Eastleaのドリームパーク使用に向けて(の可能性)  

・非関税で用具を受け取る方法の模索

・将来的にJOCVから野球指導者を派遣してもらえるのか(の可能性)

川喜田氏は、以前のようなボランティア協力があったとしてもJICAができることは非常に少なく、依頼があった時に、個人的に支援できる範囲のことしかできないだろう、と強調された。

 

⑭ 協会は、より恵まれない地域、ハラレ郊外Boboなどで野球を紹介するつもりである。

 

⑮ 2011年にはすべての小学校がTボールを用いて野球を始め、U12に繋がるルールや試合運びを学ぶ予定である。

 現在ジンバブエ野球は、U12で小学校320校、U18でハイスクール240校が国際リトルリーグに再加入している。それらの学校は2011年2月までにコーチング講習会に先生を送ると表明している。しかし、ZBAはそのすべてへの対応はできないであろう。用具もないし、技術指導できる人材も十分ではない。ZBAは1月の研修後12人の上級コーチを認定し、2月には各地域に送り込む予定で、これらのコーチは、開発局のMwoyosvi氏や各地域の代表と共に、該当教員達を支援し助言を与えるだろう。

 

⑯ 用具不足は、これからも一番大きな問題である。

ZBAはPIFB(アメリカMLBの慈善組織)に用具の寄付を依頼したが、アメリカからの船便料金を負担するならという条件を出され、アメリカ大使館に援助を申し出たが断られている。

 

⑰     国際リトルリーグに2年間の期限で参加を認めら

れた。(リトルリーグ(12歳以下)は各地区2チームで、

学校とは別に週末や休暇に活動する。)