日本遠征に向けて

村井洋介

 

2003年10月、ナイジェリアの首都アブジャ。第8回オールアフリカゲームズ選手村。クーラーをガンガンに効かせた一室で伊藤さんは私に関西学院創立者ランバス先生生誕150年記念行事について話をして下さった。

「ジンバブエの野球チームが行事の一つとして参加できればいいね」と・・・

 

2004年4月、その話が現実のものとなってジンバブエに届いた。関西学院とジンバブエ野球の接点は決して特別大きいものではないと思う。確かに、ジンバブエ野球会の代表、伊藤益朗氏が関学O.B.であること、ハラレでの球場建設に高等部を中心に多大な御協力を頂いたこと、2003年3月にジンバブエの野球選手3人を大学野球部キャンプに参加させていただいた事といった事実はあるが、関学全体の規模で考えた場合、学院の一大記念行事で、義理があるわけでもないジンバブエ野球チームを招待したいと考えるに至るほどの繋がりはさすがに無いと思っていた。にもかかわらず、である。そこに、関学関係者の心の広さと大きさを感じずにはいられない。選手達にはこの素晴らしいチャンスに多くを学んで欲しいと願う。そして、その中に自分が居られる事に感謝したい。正直なところ、この感謝の気持ちを言葉で表現すると安っぽくなってしまう事を恐れている。そこで我々に出来る事は?・・・そう、日本では、それを態度で表現しようと選手達と誓っている。

 

<参加予定選手紹介>

スチワート マピカ (投手、ハラレ)

2003年の関西学院大学春季キャンプに参加させていただいた投手。今後のジンバブエ野球を支える中心選手。訪日は今度で3回目。関学への恩返しは良いピッチングをお見せする事。

 

ネルソン チャグウィザ (投手・内野手、ブラワヨ)

投手としても打者としてもチームに欠かせない若手ナンバーワン選手。ジンバブエでは珍しい左投げ左打ち。今時のジンバブエの若者で、おしゃれにもかなり気を使ってます。

 

ウイリアム シトレ (投手、グエル)

ジンバブエ第3の都市、グエル野球のリーダー。無骨でイケイケの感があるが意外と繊細。

 

ミルトン マカンディオナ (投手、ハラレ)

おそらくアフリカ唯一のアンダースロー投手。練習熱心。努力家。

 

ラブジョイ サングエメ (捕手、ブラワヨ)

ジンバブエチームの捕手を長い間勤めている。投手陣からも信頼されており、ブラワヨ野球のリーダー的存在でもある。何かにつけて、結構こだわりを持った選手。

 

ンタングリ ムグティ (捕手・外野手、グエル)

昨年のオールアフリカゲームズ直前にナショナルチーム入り。チーム内の愛称は「ルーキー」。そのルーキー、いまや急成長。見た目とは違い、意外なほどのマルチタレント。

 

ジョン マジロ (内野手、ハラレ)

2003年の関西学院大学春季キャンプに参加させていただいた選手。いまや名実共にナショナルチームのリーダーに成長。先の南アの大会では8試合5本塁打と南ア選手もびっくりの長打力も発揮。

日本での愛称は名前の通り「ジョン万次郎」?

 

シェパード シバンダ (内野手、ブラワヨ)

ジンバブエチーム最長身。真面目な優しい性格で体の割に繊細な男。優しい顔しての長打力が彼の魅力。

 

エマニュエル アクフナ (内野手、ブラワヨ)

2003年スポーツアワード、新人選手賞で金メダル受賞。シェパードと同じ年とは思えない程小柄な選手。

 

モーガン ンポフ (外野手、ブラワヨ)

彼もジンバブエでは珍しい左投げ左打ちの選手、ブラワヨの選手の中では最も野球経験の長い選手の一人で、ジンバブエ打線の主軸を支える。乗合タクシー運転手。

 

クリフ ムサンバ (外野手、ハラレ)

1999年オールアフリカゲームズのキャプテン。2003年は色々あって選抜から漏れるもここにきて見事に復帰。外野の要。キューバで野球の研修経験あり。

 

エドソン マビザ (外野手、ハラレ)

選手最年長で、野球歴は長い。これまでオールアフリカゲームズなどの主要な大会でナショナルチーム入りの経験は無かったが、ここにきて持ち味を発揮。走塁の上手さはチーム一。

 

トラスト ドゥベ (内野手、グエル)

グエルからウイリアム、ンタングリに続く3人目の選手。野球修行を兼ねてドリームパークの管理人。

 

アラン マジマ (外野手、ハラレ)

正直言ってアランより上手な選手はいるが、地域の後進への指導を行っている事、練習を休んだことが無いほど野球好き。それなりに技術も上達したことから選出。現在、トラストと共にグランド管理人。これで毎日練習!

 

(団長)ピーター ムルコ

ジンバブエの障害者スポーツを支えていた人物。自らも障害を持つが、スポーツを愛し、スポーツを通じて障害者や若者の教育、意識の向上を目指す。国際スポーツ研究所アフリカ代表。

 

(監督)マンディショナ ムタサ

アフリカには珍しい野球を良く知っている指導者。将来のアフリカ野球を支えて行くリーダーの一人として人望も厚い。2001年からジンバブエ野球協会会長。94年と2003年に来日経験をもつ。

 

(コーチ)村井 洋介<伊藤記述>

1992年から94年までジンバブエで青年海外協力隊の初代野球隊員として活動、小学生に紹介。その後も再渡航し、仕事をしながら野球発展に関わり、03年オールアフリカゲームで監督、野球協会副会長。ジンバブエ野球の産みの親。ジンバブエでの野球を通した貢献は彼の損得抜きの志そのもので、アフリカ全体に多くの友を持つ稀有の日本人。

 

(コーチ)フレッド ソローズ(アメリカから参加)

国際スポーツ研究所首席。テキサスに本拠を置くものの世界中の開発途上国(特にアフリカ、更に特にジンバブエを中心に)で若者、障害者のスポーツを援助。アフリカは既に20年以上に渡り援助を続けている。凄まじい行動力、英語、フランス語、スペイン語、スワヒリ語、マダガスカル語等数多くの言語に堪能。国際パラリンピック委員。

 

(コーチ)伊藤 益朗(日本)<伊藤記述>

関西学院の硬式野球部OB。多くの人の協力を得、ジンバブエ在住の村井洋介氏と連携して、首都ハラレに野球場を建設。その後アフリカの野球を応援する会「ジンバブエ野球会」を続けている。昨年、一昨年とジンバブエチームの一員としてアフリカでの大会に参加。

 

 

<ジンバブエナショナルチーム日本遠征 日程 行動予定

(6月25日現在)>

 

11月1日(月)ハラレ-ヨハネスブルグ 07:15-09:00 SA025

       ヨハネスブルグ-香港  13:10-07:40 CX748

11月2日(火)香港-関空       10:05-14:45 CX506

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11月2日(火) 来日(関空着、午後)     [関西学院・泊]

11月3日(水) 覇業交歓(体育会)、

       学生との交流         [関西学院・泊]

11月4日(木) 試合・高等部

       レセプション         [関西学院・泊]

11月5日(金) 試合・大学          [関西学院・泊]

11月6日(土) 試合・全関学(含OB)

       ジンバブエ野球会交流会?    [関西学院・泊]

11月7日(日) 関西見学 (大学試合予備日)  [関西学院・泊]

11月8日(月) 午後、青山学院へ移動(新横浜経由)

                 [青山学院(相模原)・泊]

11月9日(火) 試合・青山学院大学(雨天時→10日)

                 [青山学院(相模原)・泊]

11月10日(水) 都内見学      [青山学院(相模原)・泊]

11月11日(木) 離日(成田発、夕方)

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11月11日(木) 成田-香港       17:10-20:45 CX521

       香港-ヨハネスブルグ  23:45-06:35 CX749

11月12日(金) ヨハネスブルグ-ハラレ 10:50-12:30 SA023