活動一年が過ぎ

青年海外協力隊ジンバブエ野球隊員 田澤佑太郎

 

 みなさま、新年明けましておめでとうございます。

 ジンバブエは雨季に入っていますが、ほとんど雨が降らず、例年になく異常気象とのことです。

さて、ジンバブエに来てから1年以上が経ちました。この1年もあっという間でしたが、残りの任期も一瞬で過ぎていくのだろうなと不安に駆られております。

 この半年間の主な活動としては、学校巡回指導、コーチブラッチャーさんがアメリカから来ジされてのコーチングクリニック、グエルでのインタープロビンシャルトーナメント(IPT)、短期隊員2人と共にブラワヨにてプロビンシャルレベルコーチングクリニック、高校生キャンプ(ブラワヨ)、高校生全国大会(マシンゴ)毎週土曜日の高校生練習(ハラレ)、ドリームカップに向けたシニア練習(ハラレ)、JICA世界の笑顔プロジェクト(道具寄付)、ドリームカップ(ブラワヨ)、ナショナルチームキャンプ(ブラワヨ)といったところです。

 IPT、コーチングクリニック、ドリームカップ、ナショナルチームキャンプはみなさまからの多大なご支援のお陰で充実した大会、キャンプとなりました。本当にありがとうございました。

 8月に短期隊員と一緒に実施したコーチングクリニック、高校生キャンプでは普段一人ではなかなかできない指導や練習が可能となり、とても濃く、充実したものとなりました。また、ジンバブエ野球協会会長の多くの協力もあり、ジンバブエに来て初めてといっていい程、プログラムがスムーズにいきました。今後も休み期間に合わせてこのような練習ができればと願っております。

 毎週土曜日にハラレで行っている高校生の練習では、ハラレ市内の高校生を呼んでの練習なのですが、巡回先の学校の生徒が来ているので、ここで学んだことを各学校で巡回日以外でも彼らが中心となって実践してくれることを期待しています。彼らには将来のジンバブエ野球を背負って欲しいという思いでこちらも熱が入ります。日に日に上手くなっていく彼らにこちらもワクワクしてしまっています。

 シニアのプロビンシャル練習でも欠席、遅刻や練習態度を中心に指導しています。はじめは遅刻しても平気な顔をしていた彼らも、練習時間10分前には着替えて準備運動をしていたり、もし時間通りに来られない時でも事前に私やチームメイトに休みや遅刻の連絡をしてくるようになりました。少しずつですが、野球以外の部分でも成長がみられるようになってきました。野球は上手くなくても一生懸命頑張っている選手は大会のメンバーに入れたり、逆に上手くても練習に来ない選手はメンバーから外すといった実力だけではメンバーになれないという意識を彼らにわかってほしいと思っています。よく彼らには「野球がどれだけ上手くてもサザは食べられないよ」と言っています。その点、高校生は一度ルールを決めれば、きちんと守りますし、もし遅刻等しても言い訳せずに謝ってきます。小学生、高校生の時に自然とできていることを大人になるとなぜ出来なくなってしまうのだろうといつも不思議に思ってしまいます。

10月頃にJICAの「世界の笑顔プロジェクト」と制度を利用させていただき、日本のみなさまから多くの道具の寄付をいただきました。6つのプロビンスに均等に配らせていただきました。ご協力していただいたみなさま、本当にありがとうございました。まだまだ道具の不足は否めませんが彼らの技術向上に役立つと信じています。また、ハラレにおいては蚊帳でネットを作ったり、石に紐を巻きつけてティーボールを作ってみたりと、現地で低価格で簡単に作れるような用具をいろいろと試作しています。

 12月のドリームカップ、ナショナルチームキャンプにはジンバブエ野球会のみなさまがわざわざ日本から来ていただきました。野球道具の寄付、選手への指導、私へのアドバイス等本当にありがとうございました。私を含め、選手やジンバブエ野球協会全員が大きな刺激を受けました。

2016年の私の活動においての大きな目標の一つとして学校教員、ティーチャーズカッレジ生徒を対象としたコーチングクリニックの定期開催を企んでいます。一人での巡回指導はどうしても限界があり、交通費等が出せないローカルな学校には協会の人々は行きたがらないので、各地域でコーチングクリニックを定期的に開催し、参加者の学校を巡回し先生達をサポートできればと考えています。現在ジンバブエで活動している隊員のほとんどがティーチャーズカレッジにて活動しているので、彼らと連携しながら将来先生を目指す人たちにもまずは野球を知ってもらうという活動をしていきたいと考えています。

 まだまだ協会や技術レベル等問題は山積みですが、私にできることをしっかりとしていき残りの任期悔いの残らないよう全力で駆け抜けたいと思っています。