派遣期間残り半年を切り

青年海外協力隊ジンバブエ野球隊員 田澤佑太郎

 

 みなさま、こんにちは。ジンバブエは冬となり、とても寒い日々が続いています。先日グエルでは雪が降ったそうです。

 最近では一般にジンバブエで流通している通貨である米ドルが不足しており、現金不足に悩まされています。ATMで現金が降ろせなくなっており、毎回2~3時間銀行に並び、現金を手に入れている状況です。対策として新しくジンバブエボンドノートという見なし通貨を発行すると発表されましたが、以前のハイパーインフレが再び起こるのではないかと現地では心配されています。

 昨年末に結成されたジンバブエナショナルチームが、月一回のキャンプをブラワヨにて行い、3月末に南アフリカでのインタープロビンシャルトーナメントに出場しました。大会参加に際し、旅費や帽子などの支援をしていただき、本当にありがとうございました。私は帯同することはできませんでしたが、ジンバブエ野球にとって大きな一歩を踏み出したと思っております。結果は惨敗だったようでしたが、帰ってきた選手達は前を向き、具体的な課題を自ら私に話をしてくれました。その口調や目つきを見ると、以前までのお遊びの延長ではなく、ナショナルチームのメンバーとしての自覚が芽生え始めたのかなと感じ、嬉しくなりました。

 4月には2名の短期隊員に来ていただき、ムタレ、グエルにてコーチングクリニックやクラブチーム練習などを行いました。普段一人では限界のある練習なども一緒になりとても効率よく活動することができました。また、彼ら主体の練習もしてもらい、選手だけでなく、私も多くを学ぶことができました。

 3月、5月には教員養成校のスポーツ大会があり、今年からソフトボール(女子)が正式に、野球(男子)がデモンストレーションとして種目に追加されました。私はグエルにある教員養成校に臨時コーチとして住み込みで指導していました。初めて野球(ソフトボール)をする生徒がほとんどでルールの説明、投げ方、打ち方など、基礎からでしたが、5月の大会では、彼らの目に見える成長に手応えを感じ、ほとんどの選手が来年も野球(ソフトボール)の種目に出場すると言ってくれ、何人かはグエルのクラブチームに参加したいと言ってくれた時は結果よりも大きなものを得られたと感じました。また、授業もさせていただき、野球、ソフトボールの基礎やキックベースなどの日本の小学校でやっているようなアクティビティも伝えることができました。生徒たちも興味津々に授業に取り組んでくれて、彼らが先生になった時に実際に子供たちに教えてくれるのではないかという大きな期待を持つことができました。大会に関しては、審判、運営など、問題が多くあり、一筋縄にはいかなさそうですが、今回種目に加わったことは経験者、未経験者問わず教員養成校、大学、技術専門学校の生徒が野球に触れる機会ができるのでとても大きなことだと思っています。更に、この大会にあたり、ブラワヨ、グエル、ムタレのプロビンスでプレーする選手達がコーチとして各学校を指導しており、野球を広めようという気持ちが口先でないことも確認できて良かったです。

 私の活動期間も残り半年を切りました。まだまだやりたいこと、やるべきことが山のようにあり、いくら時間があっても足りませんが、限られた残り期間の中で納得できる活動をしていきたいと思っています。

 また、現在要請しているジンバブエ野球協会所属となる後任隊員に始めから活動に集中できる環境づくりもしていければと思っています。