関西学生野球連盟(大学) 春季リーグ戦を観戦して

藤井道雄

 

 2014年関西学生野球春季リーグの優勝は、リーグ戦では決着がつかず、関学と立命との決定戦に持ち込まれた。6チームによる総当たりリーグ戦では、先に2勝したチームに勝ち点が与えられ、勝ち点が勝ったチームが優勝になる。

 立命は関大に勝ち点を落としたが、関学とは1勝1敗1引き分け後の再試合を制し、優勝戦線に踏み止まった。関学は立命には勝ち点を失ったが、残りの大学との対戦を制し、最後の同大と立命の試合の結果を待つことになった。同大は連敗すれば最下位になる恐れもあり、意地でも負けられない。初戦は同大が勝ち、立命はもう負けられないところから2連勝して勝ち点をとり、勝率も同率となり関学との優勝決定戦に持ち込んだ。

 優勝決定戦もリーグ戦の激戦を再現するかのような激しい試合。立命が初回昨季優勝を牽引した関学のエースを打ち2点を先制した。関学が3点を上げ逆転、立命が3点を上げリード、関学が2点を追いつくというシーソーゲームになった。タイブレークを目前にした延長14回、立命が畳みかけるように3点をとり、優勝をものにした。

6チームの戦いであるが、勝ち抜くのは至難の業だ。多くの対戦がもつれ、2連勝するというより、第3戦までもつれ込む。毎試合息詰まるような展開、一つひとつのプレーに一喜一憂していては身体がもたない。観戦する側も同様だ。

 今大学野球はどこの大学も多くの部員がいる。パンフでは関学が最大で157人が登録されていた。ベンチに入ることの難しさを思う。京大を除いてどのチームも甲子園出場経験者を多く抱えている。京大が好投手田中英祐を擁して同大に勝った時、同大の甲子園出身者が6名であったことが記事で伝えられていた。出場している選手は訓練され特別に選ばれた選手たちだ。

 応援も多彩だ。今はチアリーダーの応援もある。黄色い声が飛び交い選手たちを励ます。応援団も試合中、声をからし、一所懸命に汗をかきながら応援するのには、よくここまでと感心する。同大は歌がうまかった。関大の応援団長は女性、整然とした立派な応援だった。しかし観客は総じて多くはなく、応援団が数人という時もある。

 新しい野球場を知るのも野球観戦の楽しみの一つだ。今回初めてJR湖西線大津京にある皇子山球場に行った。京都から山科を過ぎると緑が増してくる、空気も変わってくる。時は春、観客席から桜の山並みが見える美しい球場だった。大学野球ではないが、兵庫県で高校野球に使われる明石、尼崎も行く度にわくわくする。そう、そしてジンバブエの野球場もそれらの球場に勝るとも劣らない美しい野球場であった。