カンサさんの講演会に参加して 

     明石市主婦 原田史子

 

 ある日の神戸新聞の<催し案内、ひろば>の記事に目が止まった。「南アフリカの詩人、トーマスCカンサさん講演会」主催・ジンバブエ野球会。アフリカ好き歴10年の私には、とても心惹かれるものだった。しかし、「う~ん、ジンバブエと野球は、いったい何のつながりなんだろう?!」といぶかしく感じたのが、私の正直な第一印象でもあった。

 

 翌日、さっそく問い合わせ先の尼崎の伊藤さん宅へ連絡を入れてみる。すると、なんとも気さくな応答で「カンサさんはとても善い方なので、ぜひ多くの人に会って欲しいと思ってます。気軽にお越しください。」との事だった。電話の向こうの温かみのある、なんともほのぼのとした気さくな感じに、まだまだ寒さ厳しい2月24日だったが行く事に決めた。

 

 当日、3歳半の長女と1歳の誕生日を過ぎたばかりの次女、疲れ果てて本当は寝ていたい主人を伴って、電車を乗り継ぎ尼崎へ。主催者であるジンバブエ野球会の事も会場に入ってすぐのパネルや会の今までの会報を見て、やっと理解した。

 

さて、定刻になり講演会が始まった。カンサさんは長身のすらりとした、長髪の男性。インパクトのある風貌だ。その語り口は、パワフルかつスピーデイーで聴いている方が緊張してしまいそう。

 

話は一貫して対話形式で展開されました。テーマは「南アフリカの子供たちと私の見た日本」。カンサさんの子供の頃の差別体験、ひどい暴行を受けたときの事など、私の経験にはない過酷なつらい体験を語って下さる。また「ブラック・パワーって何だと思いますか?」「KSDを日本語で言うと!?どんな事件?」「阪神大震災で亡くなった方の数は?」などなど矢継ぎ早な質問に、答えを考える私たちの頭もフル回転。知ってそうでなかなか知らなかったり、正確に分かってなかったりではっきり答えられない事がなんと多い事か!!私自身大きな衝撃を受けてしまった。社会の様々な問題も、事件もどこか遠くの出来事のようにぼんやりと感じるのではなく、まず自分がその事をよく知り、その痛みを悲しみを苦しみを身近に感じることがとても重要な事だ、とカンサさんは訴えられた。

 

また、なによりカンサさんが立派な方だと思ったのは、彼自身、故郷の南アフリカの障害を持つ子供たちに2千台以上の車椅子を贈っている事。南アフリカで車椅子が買えるのは一部のお金持ちだけなのに比べて、日本ではちょっと古くなった車椅子をゴミにしている。だから、それを修理してコンテナ1個分ためて、それから船に積んで南アフリカに送るという時間もお金も体力もいるボランテイアを多くの仲間に支えられてやっている。そして、今も贈りつづけている事がすばらしい。

 

私も高校生のときにアフリカに興味を持ち一主婦となった今もアフリカと関わる人生を生きたいと願っている。カンサさんに出会えてよかった。ジンバブエ野球会に出会えてよかった。

 

私も車椅子を贈る運動をお手伝いさせていただこうと思い毎週月曜日に大阪の廃棄業者に「今週は車椅子ありますか?」などと電話をしている。他にも何かアフリカの為になる事があれば積極的に関わっていきたい。

 

私の師匠が語ってくれた「一番苦しんだところが一番幸福になっていく権利がある。そういう21世紀にするんだ。」との言葉を実現させて行くために、今日も私は挑戦していくのだ。

 

カンサさんの話の中で紹介された<詩>ですが、我が家に張ってます。時々、読み返すとなんとなくやさしい気持ちになれます。皆さんもぜひ読んでください。

 


子供の話に耳を傾けよう

 

トーマスCカンサ

 

今日、少し

 

あなたの子供が言おうとしていることに耳を傾けよう

 

今日、聞いてあげよう、あなたがどんなに忙しくても

 

さもないと、いつか子供は年老いたあなたの話を聞こうとしなくなる

 

子供の悩みや要求を聞いてあげよう

 

どんなに些細な勝利の話も、どんなにささやかな行いもほめてあげよう

 

おしゃべりを我慢して聞き、一緒に大笑いしてあげよう

 

子供に何があったのか、何を求めているのかを見つめてあげよう

 

そして言ってあげよう、愛していると、毎晩毎晩

 

叱った後は必ず抱きしめてやり、「大丈夫だ」と言ってやろう

 

子供の悪い点ばかりあげつらっていると

 

そうなってほしくないような人間になってしまう

 

だが、同じ家族の一員なのが誇らしいと言ってやれば

 

子供は自分を成功者だと思って育つ

 

今日、少し

 

あなたの子供がいおうとしていることに耳を傾けよう

 

今日、聞いてあげよう、あなたがどんなに忙しくても

 

そうすれば、子供も年老いたあなたの過去の栄光に耳をかたむけるために

 

あなたの元に、戻ってくるだろう


「ジンバブエ野球会」入会、継続のお願い

 

同会の目的: アフリカの野球振興と野球交流をゆったり応援する。

活   動: ①年会費及び寄付から必要経費を差し引いて、ジンバブエ在住の村井洋介さんを通して送金し、目的のために役立てる。

       ②参加者、その他に年1~2回、ニュースレターを送り、ジンバブエのようすや会計報告、その他催しなどを知らせる

  趣旨にご賛同頂ける方は別紙郵便振替用紙でのご送金にてお申し込みくださいませ。

郵便振替口座: 00930-2-126157 ジンバブエ野球会

年会費: 1口 3000円

事務局:

郵便番号661-0012 

尼崎市南塚口町2-1-2-510 (伊藤益朗)

TEL06-6427-4950(自宅)

 

 

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