ジンバブエを思い続けて…

元青年海外協力隊員 織田美夜子

 

 98年8月ジンバブエの地を後にして、3年が過ぎようとしていますが、日毎にジンバブエへの思いは募るばかりです。

 

 95年にジンバブエに赴任していた当時、私は、ハラレのGirl’s High School(G・H・S)で体育を教えていました。体育全般以外に、放課後のクラブ活動では、柔道、水泳、陸上の顧問をしていました。

 

 その頃、JOCVによるソフトボールの普及は定着しており、ハラレだけでなく、全国的に浸透していました。わが校でも、ソフトボール部は球技系の中で人気の高い、部員数の多いクラブに位置付けられていました。というのは、私が赴任する前から、初代ソフトボール先輩隊員が、本校や隣のQueen Elizabeth High Schoolで指導し始め、強化選手の育成にも力点が置かれていたからです。指導者にも道具にも恵まれた環境のおかげで、地区大会や全国大会等で実績を残こし、わが校の校長も「ソフトボールはG・H・Sが一番!勝って当たり前だ」と自負していた学校でした。

 

 しかし、実力ある生徒たちが卒業し、顧問の先生も退職したりと今までの団結力はなくなり、活気付いていたチームの雰囲気も低迷していました。それでも引き続きソフトボール隊員が週1~2回定期的に指導に来てくれたこともあって、校長からソフトボールの顧問を引き受けることに。と言っても、私の専門は陸上で、ソフトボールの技術・知識はゼロに近かったのですが…。とりわけ集団スポーツが苦手だった私でしたが、技術指導は巡回隊員にお任せし、Girl’sの練習に対する姿勢やチームとしての目標設定など、環境作り、動機作りに徹しました。

 

 ソフトボール隊員の力も充分借りて、勝つために何が必要か、チーム一致団結精神を日々植え付けたことにより、そのうちGirl’sの向上心が見えてきた時、とてもやりがいを感じました。今でも忘れられませんが、任期満了の直前、全国大会がブラワヨで開催されました。前日夜行電車に乗って、修学旅行気分のようにはしゃぐGirl’sとともに、明朝会場に到着。優勝目指してどんなプレーをするか、半信半疑でした。結果、優勝は逃したものの2位の好成績で終わることができました。選手は最後まで諦めず、ミスからミスを呼ぶようなネガティブな雰囲気を作らないよう、一人一人が団結心を持ってプレーをしていたあの勇ましい姿が今でも鮮明に焼き付いています。その時、個人競技では味わえない集団スポーツの喜びを体感しました。それは私だけでなく、応援していたGirl’sも同感だったことでしょう。

 

 こうして先進国の早さに踊らされ操られながら生きていても、変わることのない自分に刻まれた思い出が今でも鮮明に残っていると再認識した時、もっともっとジンバブエで教えていたかった、そしてジンバブエ人の社会に触れていたかったと切に思います。

 

 帰国して以来、体育とはかけ離れてしまいましたが、馳せる思いがアフリカとの縁を繋いでくれました。昨年7月より、(社)アフリカ協会で勤務しています。主な事業内容は、アフリカ57カ国のための支援活動、在京アフリカ大使館との交流・親睦活動や月刊誌の発行になります。その中でも、私は月刊「アフリカ」の編集に携わっています。今までアフリカ諸国在住の方々、研究者やアフリカに従事している大勢の方々から執筆して頂いております。

 

 最近、弊誌でジンバブエの話題と言えば、ムガベ大統領や土地農場占拠問題の暗いニュースが先に立ちます。どなたか少しでも明るいニュースを書いてくれないだろうかと思う今日この頃です。

 

 おなじみの堤尚彦氏より、すでにガーナ野球について記事を提供していただきましたが、いずれジンバブエの野球振興について頼もしい記事を執筆して下さる方、心よりお待ちしております。さらに、一人でも多くのアフリカをこよなく愛する読者の方々に、ジンバブエの将来性を伝える格好の紙面として活用していただきたいと願っております。(原稿の問い合わせ先:〒151-0001港区虎ノ門1-11-2,03-3501-1878,asj@tkc.att.ne.jp)

 

 皆さんと同心で、ジンバブエへに思いを寄せる一人として、二人三脚で地道な活動をし続けるジンバブエ野球会のポジティブな夢を、弊誌に紹介できる日が来ることを楽しみにしております。 

 

 最後に、「ジンバブエの風」の発行を遅らせた原因はこの私です。締切を守らず、事務局長の伊藤さん、会員の皆様に多大なご迷惑をおかけしたことを、心より深くお詫び申し上げます。これからもジンバブエでの夢実現に向けて、サポートさせていただきますので、皆さん宜しくお願いいたします。

 

 

 

<ジンバブエOV会からのお知らせ>

 

 今年も恒例の「国際協力フェスティバル」が、10月6・7日の両日にかけて、東京・日比谷公園で開催されます。99年10月にOV会を発足して以来、3回目の出展を予定しています。協力隊関係、NGO・NPO団体、政府関係団体など、たくさんのブースが立ち並ぶ中、今年もまたジンバブエOV会のブースでは、サザ・ネ・ニャマとカッスルで皆さんのお越しをお待ちしております。そしてそこで、ジンバブエをアピールするのにうってつけの「Tinofamba」などジンバソングをみんなで歌ってみませんか!今年は10月8日(月)が祝日により、3連休になります。これを機会に、ぜひ遠方からの参加も楽しみにしております。詳細はとりあえず織田まで。(TEL:03-3501-1878 , E-mail:asj@tkc.att.ne.jp)