2005年 ジンバブエ野球会 冬の集い

梅崎道夫

 

昨年末のジンバブエ野球チ-ム来日の熱い余韻がまだ残る1月30日の日曜日、午後2時から尼崎市労働福祉会館1階会議室で、講師に財団法人PHD協会総主事代行 藤野達也氏をお迎えして冬の集いが開催されました。藤野氏は1982年に(財)PHD協会に関わり、以来現在に至るまで約23年近くNGO活動を支えて来られた超ベテランです。

PHDは、1962年から約20年間に渡って東南アジアの発展途上国での医療活動に従事された岩村昇医師が提唱された運動を言います。PはPeace(平和づくり)HはHealth(健康づくり)、DはそれらPとHづくりを担うhuman Development、D(人材育成)を表わし、私たちが自分のためだけに使っていた時間・技能・財などの10%をささげて、これらD(人材育成)を達成しようとする運動です。ちょうど私も、小学生の頃に、岩村昇さんのネパ-ルでの医療活動を、日本のシュバイツァ-として紹介する映画を観た記憶が強く印象に残っています。その後、岩村医師の消息を全く知らなかったものですから、藤野さんのなさっているPHD協会の活動を教えて頂き、「うん、うん、なるほど」と納得した次第です。さらに、先日お会いした某百貨店の財務・マ-ケティング部長が、「私の人生の師と尊敬している人は、岩村医師のお話を聞いて感動し、すでに国立大学の大学院まで卒業していたのに、わざわざあらためて医学部に入学され、医師としてネパ-ルに行かれた方です。」とお話なさるのを聞き、今年は私にとって40年ぶりの岩村医師復活の年となりました。

 さて、講師の藤野さんは、まさに沈着冷静の権化みたいな方で、当日も淡々とPHDの活動を、スライドも利用しながら解説されました。(但し外見は青年そのものです)PHDは、単に発展途上国に金やものを送るのでなく、人材育成が主旨ですので、途上国から毎年何人かの研修生を日本に迎え、約1年間を日本家庭にホ-ムステイしてもらいながら、保健衛生・保育・洋裁・農業等の研修を受けて頂き、母国に帰ってから、その研修成果を地元の村づくり、生活向上に役立てて頂こうという活動です。すでに200名を超える人々を受入れ、それらの人々が地元に帰って活躍されているそうです。途上国に対しODAのように巨額の資金を投下して、インフラ整備等ハ-ド面で協力することも一部必要でしょうが、むしろ地道に活動を継続されているPHDに象徴される人的交流を含めたソフト面での協力が必要不可欠ではないかと感じました。

当日、講演後には懇親会が催され、藤野さんをはじめ参加者全員が自由に発言し、楽しく充実した集いであったことをご報告して終わりたいと思います。